一般的に言うところの多汗症とは、多汗症の種類で最も多い、手のひら・足の裏・顔・頭部・脇などに多量の汗をかく局所性多汗症を指します。局所性多汗症とは交感神経が過敏に反応することで病的に多量の汗をかく病気です。多汗症の種類として局所性多汗症のほかに、全身性多汗症や味覚性多汗症があります。全身性多汗症の原因には病気や疾患があることが多く、多汗症の原因になっている病気の治療が多汗症の改善・解消に繋がります。多汗症は、汗をかきやすい汗かき体質や、一時的な交感神経の乱れによる汗かきとは異なります。
局所性多汗症とは機能失調としておこる病的に大量の汗をかく病気です。多汗症の種類で最も多い局所性多汗症は通常複数の部位に多汗がみられます。「手のひら・足の裏・わきの下」「足の裏・顔面」「わきの下・足の裏」など幾つかの部位の組み合わせで大量の汗をかくといった多汗症です。局所性多汗症で、手のひらを中心に大量の汗をかく多汗症を手掌多汗症、足の裏を中心に多量の汗をかく多汗症を足蹠多汗症といいます。手のひらや足の裏を中心に大量の汗をかく多汗症を掌蹠多汗症(手掌足蹠多汗症)ともいいます。わきの下を中心に多汗がみられる多汗症を腋窩多汗症といいます。
局所性多汗症の特徴としては、精神的緊張や体温変化が引き金になって多汗になることが多いことです。また、多汗症の発症時期としては、多汗症の多くが4~5歳くらいの幼少期で、発症してから多汗症が継続し、中学生・高校生の思春期頃に多汗症による汗を気にしだすことが多いようです。成人になってから多汗症になるケースもあります。この多汗症は主観によるところも大きく「どれだけ大量の汗をかくと多汗症」という明確な定義づけができないのですが、汗かきの人にとっては深刻な悩みになっていることも事実です。
多汗症と汗かき体質の違いは、体温上昇の要因となる気温や運動によって体温調節をしようとして過敏に反応して過度な汗をかいてしまうのが汗かき体質、冬など体温調節が不必要な暑くない状態にもかかわらず多量の汗をかくが多汗症ともいえます。ただ、汗かき体質と多汗症を区別するのは難しく、多量の汗をかく悩みがあるならば専門医に相談することです。「多汗症かも」と悩んでいるだけでは改善されないだけでなく悪化することもあります。多汗症は、適切な処置や治療によって改善することが可能といわれています。多汗症と診断されれば、治療や手術にかかる費用の殆どが保険適用になります。多汗症自体は直接命に関わるわけではありませんし痛みや痒みを伴ったりしませんが、多量の汗で湿った皮膚が白くなってしわができてひび割れたり炎症を起こすこともあります。皮膚に存在する細菌などで汗が分解されて、多汗のある部分が嫌なにおいを発する臭汗症と呼ばれる状態もあります。
全身性多汗症とは、顔から背中、胸、手足、というように文字通り全身に大量の汗をかきます。全身性多汗症には他の病気が原因となっていることが多いため、全身性多汗症は病気のサインといってもよいでしょう。全身性多汗症の原因としては、糖尿病・甲状腺亢進症・自律神経失調症・高血圧・視床下部の腫瘍・外傷・炎症などの病気や疾患が挙げられ、肥満や妊娠も原因になるとされています。
味覚性多汗症とは、食べ物を食べたときの味覚刺激による発汗の量が病的に多い多汗症です。誰もが、酸味や辛味の強いものを食べると汗が出ます。味覚性多汗症の発汗は明らかにそれを上回る病的な発汗です。チョコレートやチーズなど特定の食べ物だけで汗をかくケースもあります。重度の味覚性多症では、何を食べても額や鼻等に汗をかく状態になります。
※多汗症だとわきが(腋臭)になる、多汗症と腋臭(わきが)は同じまたは類似の病気、と勘違いしている人がいます。多汗症とわきが(腋臭)は異なる病気ですし、治療法も異なります。

